オーボエの知識

オーボエの知識
 

オーボエの基礎知識集

オーボエの基礎知識として種類や成り立ち、歴史など。オーボエを演奏していたこともあるシナリッシュの技術者の経験からオーボエの知識についていくつかご紹介させていただきます。楽器購入、買い替え、中古オーボエ購入の際の参考知識にしてください。

オーボエとは(オーボエの基本的知識)

木管楽器の一種で、その中でもダブルリード楽器に属する。オーケストラでは木管は元より管楽器の中心的存在となる重要なポジションを担う。多彩表現力と魅力的な音色のため、主にメロディーを担当しソロも多い。
管は全体として円錐で葦笛やチェルメラの高度に進歩したものと言える。古典音楽の時代においてはフルートが未完成で音程が不安定だったため、木管の中では高音域を主に担当する楽器として重用された。
オーボエは16~17個前後のトーンホールと、それらを開閉させる機構のキーにより音程を変えることができる。
オーボエはその構造から低音域での音量の減少や貧弱な音色になることが無いため、高音域同様、楽曲内で低音域での旋律も多い。逆にその音色から和声には比較的向かないとされ、分散和音や細かいパッセージでの伴奏、和声的伴奏には用いられることは少ない。
 


オーボエの歴史の知識

コンセルヴァトワール式の知識

1800年代になりパリ音楽院の教授陣や楽器製作者トリエベールにより、コンセルヴァトワール式のオーボエが開発された。多少の改良は加えられながら、現在最も普及しているのオーボエのシステムになった。


ウィーン式の知識

原型に近い音色と形状を持ったジャーマン式オーボエを改良し、独自のシステムを開発。この独特な音色のオーボエは音色重視のため運指が非常に難しく、プロのオーケストラではウィーンフィルなどごく限られたオーケストラのみで常用されている。


ジャーマン式の知識

ジャーマン式オーボエは、かつてドイツで作られていたシステムのオーボエである。世界的にも普及し多くのプロ奏者も使用しているオーボエだった。


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オーボエの種類についての知識

セミオート(セミ・オートマチック・システム)の知識

セミオートのオーボエは、第1オクターブキーを押しながら、第2オクターブキーを押さえると、自動的に第1オクターブキーが閉じるシステムである。調整も容易で、故障も少なく、日々のメンテナンスも容易である。


フルオート(フル・オートマチック・システム)の知識

フルオートのオーボエは、ドイツの技術者が運指を楽にしようと交換したシステムで、オクターブキーの指で押さえる所を一つにして、第1オクターブキーと第2オクターブキーが音によって自動的に切り替わる。運指が多少楽になる代わりに複雑になっているため、メンテナンスやキーのバランス調整が非常に難しい。


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オーボエのメンテナンスについての知識

キーのメンテナンスについての知識

オーボエのキーは非常に複雑で細かく作られている。特にキーの軸部分はとても細く精密なため頻繁に手入れが必要である。キーオイルはオイル切れを起こしても動くには動くが、回転することにより徐々に摩耗する。最終的にはガタが出たり、逆に削りカスとオイルが混じり動作不良や固着することあるという知識が必要である。月に1度の頻度でキーオイルを注すことをおすすめします。


水分の除去についての知識

オーボエの演奏後は、管の中やトーンホール、タンポなどに湿気や水滴が発生する。管の中の水分は付属の掃除棒や、七面鳥などの羽を使ってもよいが、今は性能のいオーボエ専用のスワブが開発されているので、それを使用することをおすすめします。管内の水滴をしっかり除去していないとカビや割れの発生の原因となってしまうという知識が必要である。演奏ごとにしっかり取り除きましょう。
タンポやトーンホールについても同様で、特に小さなトーンホールは水滴により詰まり、音がうまく出なくなる恐れがあるという知識が必要である。演奏中や曲間などでも、クリーニングペーパーをタンポとトーンホールの間に挟み水滴を除去しましょう。この際にはタンポを痛めないために、挟むだけでスライドさせないようにします。


キーのバランス調整についての知識

オーボエは非常に繊細なバランス調整が必要である。少しバランスが崩れるだけで、閉じるべき時に閉じなかったり逆に開かなくなってしまう。ただバランス調整は相当な経験と知識が必要なので特に初級者は手を出すべきではないという知識が必要である。豊富な経験と知識を持った先生や先輩に行ってもらうか、レッスンを受ける必要がある。最良は専門技術者やリペアマンに行ってもらうことが大切である。