フルートのトーンホールの種類

フルートのトーンホールの種類
 

フルートのトーンホールについて

 

トーンホールの大きさと数

フルートの管にはC足部管仕様の場合通常13個の大きなトーンホール(直径13~14mm)と小さなトーンホール(直径6~8mm)が開けられています。トーンホール部分の作り方には2種類あります。
 

トーンホールの種類

ハンドメイドモデル(手作り)仕様と呼ばれる、トーンホールをハンダ付けして形成する方法(ソルダードトーンホール)。もう一つはスタンダードモデル、レギュラーモデル、コマーシャルモデルとメーカーによって名称は異なるがどれもトーンホールを引き上げて形成する方法(ドローントーンホール)。
 
フルートが金属で製作されるようになった頃には、まだ引き上げて成型する技術が無かったため、ハンダ付けで製作されることが殆どだった。その後引き上げ製作方法が確立され、価格的に安く製作本数も増やすことができるようになった。
 
手間がかかるソルダードトーンホールのフルートの方が、ドローントーンホールのフルートより価格が高価なため、一般的により上級者やプロが使うイメージがある。ところが実際は奏者の音色の好みや管体の軽さでドローントーンホールを選ぶフルート奏者も多い。


ドローントーンホールと、ソルダードトーンホールの違いや音色の特徴

ドローントーンホール

トーンホールを打ち抜き引き上げし、先端を丸めて作る。(ドローンアンドロール)

ソルダードトーンホールに比べ制作の手間がかからないため、比較的安価なモデルに採用される傾向がある。

明るく軽めの音色。重量も軽いためフルートを構えやすい。

メーカーによりセミハンドメイド・レギュラー・スタンダード・コマーシャルというモデル名。

ソルダードトーンホール

管体とは別にトーンホールのパーツを製作し、ハンダ付けして作る。

ハンダ付けに使用するのはパーツや設計により、通常のハンダを使ったハンダ付けと銀ロウを使った銀ロウ付けを併用する場合が多い。

ドローントーンホールに比べ手間がかかるため、比較的高価なモデルに採用されている。

ドローンに比べ精巧・精密に作ることができる。耐久性も高い。

芯のある深い響き。遠鳴りする音色。

メーカーにより、ハンドメイドモデルと呼ばれる場合があるが、ハンドメイドでもドローンの場合がある。

彫り込み、彫り出し成形

銀などの金属とは違い木管フルートのグラナディラの場合は、ピッコロと同じように管を削ってトーンホールを成形する。

木管フルートの場合はリッププレートも掘り込み、掘り出し成型が主流である。一部ライザーで繋がれている頭部管もある。

ドローントーンホールの画像

 

ドローントーンホール

引き上げ

トーンホールの付け根はややカーブしていて繋ぎ目が無い。
トーンホールの上端部はカールして仕上げているので丸みがある(ドローン&ロール)。

ソルダードトーンホールの画像

 

ソルダードトーンホール

ハンダ付け

トーンホールの付け根部分には明らかな繋ぎ目がある。
トーンホール上部は細工がされている。ドローンのようなカールは無い。