リコーダーの知識

リコーダーの知識
 

リコーダーの基本知識

リコーダーの成り立ちなどの歴史や種類。素材による音色の特徴。製造工程などリコーダーの知識についていくつかご紹介させていただきます。楽器購入、楽器買い替え、中古楽器購入の際の参考にしてください。


リコーダーの歴史

リコーダーの歴史は古く先史時代から似たような構造の楽器が使われていた。11世紀ころにはヨーロッパで広まり声楽や合奏が行われていたようである。13世紀~14世紀にはすでにリコーダーという名称も用いられていた。バロック時代まではリコーダーのような縦笛のことをフルートと呼び、フルートのような横笛のことをフラウト・トラベルソと呼んでいたが、次第に縦笛がリコーダー、横笛をフルートと呼ぶことが定着した。ルネサンス音楽、バロック音楽で盛んに用いられリコーダーのための合奏曲、独奏曲など多く作曲された。17世紀頃には現在と変わらない形状で様々な種類が作られた(ソプラニーノリコーダー、ソプラノリコーダー、アルトリコーダー、テナーリコーダー、バスリコーダー)、しかし18世紀あたりから管弦楽は発展し大規模な合奏が人気になってくると、リコーダーの欠点である音量が小さいことが原因で、その座をフルートにとって代わられた。以降リコーダーはオーケストラ曲などで使われることは殆どなくなった。ただ、古楽合奏ではなくてはならない楽器として今も演奏家は多い。

木製リコーダーの特徴

古楽器として発展してきたリコーダーは現在、樹脂製、木製その他の様々な材質で作られていますが、木製のものは古くより多くの名工、名楽器製作者によって名器が作られてきました。現在もデンナー、ステンベルゲン、スティンズビー、キンゼカーなどの古典的な名器をコピーし基本設計として作られています。木製のリコーダーはその素材により全く違った音色や音質です。用途も合奏向きソロ向きなど多岐にわたる種類のものが製作されています。使われる方の演奏形態や奏法によりその中から最適なリコーダーを選ぶことができるのも、この木製リコーダーの醍醐味です。

リコーダーの種類

小さい(音の高い)ものから順に、クライネソプラニーノ、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バス、グレートバス、コントラバスが通常使用されるリコーダーの種類です。

リコーダーの素材の種類と音の特徴

メイプル(カエデ)

 柔らかくクリアな音色。


カステロウッド、カステロボックスウッド(ツゲの一種)

柔らかく甘い音色。


ボックスウッド(柘植ツゲ/黄楊ツゲ)

柔らかく甘い音色で遠くまでよく通る音色。


リコーダーの材質をさらに詳しく読む

吹き口(ウインドウェイ)のタイプ

ストレートウインドウェイ

初級者でも演奏しやすく、柔らかいクリアな音色が出しやすい。


アーチ型ウインドウェイ

アーチ型にすることによりある程度の抵抗感が生まれ、細かな息のコントロールがしやすくなる。そのため表現の幅が広がるがある程度の技術が必要なため中~上級者向き。張りがあって艶のある音色。

リコーダーの製造工程

  1. 現地木材の伐採
  2. 大まかな木材のカット
  3. 買い付け
  4. 木材をみて木取(どのリコーダー、どの部分にするか)
  5. 自然乾燥(2~3年)
  6. 人工乾燥
  7. さらに自然乾燥
  8. 円柱形に削る
  9. 円柱に穴をあける
  10. 自然乾燥
  11. さらに精密に加工する
  12. 乾燥
  13. ペーパー掛けで滑らかな表面に仕上げる
  14. 乾燥
  15. 塗装(数回に分けて乾燥しながら)
  16. さらに整形、ジョイントコルク(糸)巻き
  17. 組み立て音出し
  18. 調整しながら精密な加工
  19. 音響計測、音律計測、点検
  20. 完成