トランペットの種類
トランペットの種類とその違い
トランペットの調性の違いや特徴。
トランペットは管の長さを伸ばしたり縮めたりして音程(音の高さ)を変化させますが、その方法に違いがあります。一般的な方法は上下するピストンによって管の長さを変化させるピストン式。回転するロータリーと呼ばれるバルブにより変化させるロータリー式。直接管をスライドさせ管の長さを変化させる方式もありますが、こちらは非常に特殊で今日ほとんど用いられることはありません。
一般的にはピストン式が世界中で使用されています。輝きのある音色でレスポンスがよいのが特徴です。ロータリー式は主にドイツやオーストリアなどドイツ語圏などで使用されていますが、近年ドイツ物の楽曲を演奏する場合には持ち替えて使用するオーケストラが多く、また指揮者の好みによりロータリーを指定する場合もあるようです。これはピストン式に比べ音色が柔らかで温かみがあり、木管楽器や弦楽器に溶け込み、全体としてのアンサンブルがまとまるためとも言われます。さらにフォルティッシモのときには存在感があるのにやかまし過ぎないという音色が魅力です。
管の長さで分類すると、トランペットは一般的にはB♭調を使用しますが、1番奏者(高音の音域が多い)や曲目によってはC管を使用する場合があります。その他にCよりさらに短いE♭やE、D、ピッコロトランペットなど様々な調性の楽器もあります。これらはバロック音楽など更に高音域を正確に演奏しなければならないため用いられます。さらにB♭より長いF管もあります。バルブは通常3本が大半を占めますがピッコロトランペットでは4本のものがあります。
ロータリートランペットは特殊でハイキー(クラッペン)とも呼ばれるレバーが付けられているものもあります。主管のウォーターキーのような仕組みで管の途中に数カ所音孔を開け木管楽器のような仕組みで高音を安定して出すことが可能です。キーは音によりハイCキー、ハイB♭キー、ハイHキーなど音毎に複数ついている楽器もあります。