フルートとピッコロの歴史

フルートとピッコロの歴史
 

フルートとピッコロの成り立ちと歴史

奈良の正倉院にある横笛は世界最古の横笛とも言われている。ヨーロッパにおいて現存する横笛はルネサンス時代に現れる。当時は音が鋭く野外音楽や民族音楽に主に用いられていた。
 
17世紀後半にパリのオットテール一族が大幅な改良を加え、オーケストラにおいて重要な楽器となった。16、17世紀にはフルートという名前は主に縦笛に用いられ、横笛はフラウト・トラベルソ(トラベルソ)と言われていた。
 
18世紀になると縦笛はすたれ、横笛がフルートと呼ばれるようになった。このころのトラベルソ(トラヴェルソ/バロックフルート)は現在も古楽合奏などにおいて使用されているし、製造しているメーカーもある。18世紀にはヘッドコルクを移動できるようにしたり、様々な改良が加えられた。
 
19世紀にオバルト・ベームによりついに現在のフルートの原型となる楽器が作られた。全てのトーンホールにカップキーをつけ連結させるものだった。これにより3オクターブをすべての調で演奏することが可能になった。このベーム・フルートは急速にフランス、ドイツなどヨーロッパで普及し多くの名演奏家を生み出した。現在はこの銀製ベーム式フルートが殆どを占めている。

フルートとピッコロの構造

現代フルートの構造

フルートの全長は約67cmです。全体を3分割されていてそれぞれ、頭部管、胴部管、足部管と呼びます。管には通常のC足部管仕様の場合、10数個穴が開いていてトーンホールと呼びます。これを全部ふさぐことで管の長さが最も長くなり基音を出すと最低音C音となります。
 
フルートのトーンホールは大きくそれぞれ距離が離れているためリコーダーのように直接指でふさぐことができません。このためキーと呼ばれるメカニズムを用いて開閉します。キーにはタンポというフェルトに豚の腸を張ったものが取り付けられています。これがトーンホールの蓋として機能します。
 

現代ピッコロの構造

ピッコロの全長は約34cmでフルートの約半分の長さです。ピッコロはフルートと違い頭部管と胴部管の2分割になっています。トーンホールやキーの構造はほぼフルートと同じですが、最低音は違っていてD音となっています。